前提
KARTE SignalsのターゲティングコネクタでKARTEセグメントを利用する場合、KARTE上のセグメントの意味と、広告媒体に送られるリストの意味が一致しないことがあります。本ページでは、その原因と対処方法を説明します。
KARTE のセグメントは、条件を満たすとユーザーが入り、満たさなくなると出る、動的な仕組みです。
一方、Signalsのターゲティングコネクタは、設定したスケジュール(最短1時間ごとなど)でリストを抽出し、Googl広告・Meta広告などへ送信します。
セグメントの出入り、データの抽出方法、コネクタの更新方法、実行タイミングの組み合わせによって、意図したリストと実際に配信に使われるリストがズレることがあります。
ズレが起きる3つの要因
1. データの抽出方法
Signals でセグメント条件を使う主な方法は次のとおりです。
| 方法 | リストが表す意味 |
|---|---|
| KARTEデータ / ユーザーマスタ + shorten_segmentsで絞り込み | 各ユーザーの最新イベント時点でのセグメント所属 |
| KARTEデータ / イベントデータ + shorten_segmentsで絞り込み | 指定期間内のいずれかのイベントでセグメントに入っていたユーザー |
| KARTEデータ / バッチセグメント | バッチ実行時点での判定(セグメント作成前のユーザーも含められる) |
shorten_segments利用時の注意
shorten_segmentsは、各イベントが記録された時点のセグメント所属状況を保持します。
イベントデータからshorten_segmentsで絞り込むと、過去にそのセグメントに所属していたが、現在は所属していないユーザーも含まれる場合があります。
現在そのセグメントに所属しているユーザーのみを抽出したい場合は、ユーザーマスタを利用し、各ユーザーの最新データに対してshorten_segmentsで絞り込んでください。
ユーザーマスタのshorten_segmentsはイベント発生時に計算した最新のセグメントです。
セグメントから出た後にイベントが発生しないユーザーは、古い所属情報が残る場合があります。
期間付きセグメントの制約
ユーザーマスタでshorten_segmentsを使う場合、セグメントの「期間」が「直近7日間」または「直近4週間」のセグメントには対応していません。該当セグメントを設定してもリストは抽出されません。
詳細は Signalsでのユーザーマスタの利用方法 を参照してください。
2. コネクタの更新方法(オペレーション)
広告媒体へのリスト更新方法も、リストの意味に影響します。
| オペレーション | 動作 | セグメントから出た場合 |
|---|---|---|
| 作成 | 既存リストに追加する | 媒体側のリストからは自動では削除されない |
| 置換 | 送信データでリスト全体を差し替える | 次回送信時に現在の抽出結果に更新される |
| 削除(Google 広告のみ) | 送信データをリストから削除する | 明示的に除外できる |
Meta 広告のターゲティングコネクタでは「作成」「置換」が選択できます。
Google 広告のカスタマーマッチでは「作成」「置換」「削除」が選択できます。
例:カート落ちリターゲティングで「作成」を使った場合
コネクタ設定
セグメント:カート落ちユーザー
オペレーション:作成
実行:毎日
日 出来事 KARTEセグメント Signals 媒体リスト 月 ユーザーAがカート落ち IN Aを送信(追加) Aが入る 火 ユーザーAが購入 OUT 再実行(Aは送信されない) Aが残る 水以降 広告配信 OUT (送信なし) Aに配信される 想定していたリスト:現在カート落ちしているユーザー
実際に配信される対象:購入済みのユーザーAも含まれる
「作成」は追加のみで削除しません。セグメントから出ても媒体リストには残るため、カート落ちリターゲのように「今だけ対象にしたい」施策では、オペレーション「置換」の利用を検討してください。
3. 実行タイミングと媒体側の反映
KARTEセグメントの出入りはリアルタイム(または準リアルタイム)で判定されます。
Signals は定期実行であり、広告媒体への反映にも時間がかかります。
Signals:設定したスケジュールで実行(最短1時間ごと)
Google 広告:リスト反映に最大48時間程度かかる場合がある
Meta 広告:オーディエンス更新中はジョブがエラーになる場合がある
セグメントに入った直後にすぐ広告配信したい場合でも、実際のリスト更新タイミングにはギャップが生じます。
具体例
リターゲティング後にコンバージョンしても配信が続く
| 時点 | KARTE | 媒体リスト(オペレーション = 作成) |
|---|---|---|
| Day1 | カート落ちセグメントに入る | リストに追加される |
| Day3 | 購入完了でセグメントから出る | リストに残ったまま |
「現在所属者」と「過去所属者」が混在する
イベントデータでshorten_segmentsを絞り込むと、期間内に一度でもセグメントに入っていたユーザーが対象になります。「今まさに対象条件を満たしているユーザー」だけを狙う施策では、意図と合わない場合があります。
目的に合わせた設定の組み合わせ
| やりたいこと | 設定の目安 |
|---|---|
| 現在セグメントに入っているユーザーだけに配信したい | ユーザーマスタ + shorten_segments で絞り込み |
| セグメントから出たユーザーを媒体リストからも外したい | オペレーション = 置換(Google 広告では削除も検討) |
| 一度でも該当したユーザーをリストに蓄積したい(例:累積CV者の除外リスト) | オペレーション = 作成 |
| セグメント作成前のユーザーも含めたい | バッチセグメント |
| 期間条件を厳密に定義したい | イベントデータやDatahubクエリで条件を直接定義 |