2020年3月に公開されたIntelligent Tracking Preventionについて、KARTEへの影響調査を行ったところ、影響内容はITP2.3と同様ですが発生条件がより広がりました。
ITP2.3と比較したITP202003の条件の違いについてまとめます。

ITPに関するドキュメント一覧

KARTE側で公開しているITPの影響に関する記事は、新しい順に、次の通りです。

visitor_idの有効期限の短縮

visitor_idはCookieとLocalStorageに保存されています。通常、有効期限が最終アクセスから2年間有効なところ、ITPの条件を満たす場合7日間に短縮されます。
詳しい影響内容と対策についてはITP2.3の記事をご参照ください。ITP2.3における影響1

発生条件の違い

ITP202003により影響が発生する範囲が広がりました。

条件 ITP2.3 ITP202003
環境とブラウザ iOS 13, iPadOSベータ版のSafari
macOSのSafari 13
iOS 13.4, iPadOS 13.4のSafari
macOSのSafari 13.1
流入元サイト tracker判定されたサイトのみ すべてのサイト
流入元のURL クエリやフラグメント付きのURL すべてのURL
保存期間 ITP2.3 ITP202003
Cookie 24時間 24時間
LocalStorage 7日間 7日間

また、LocalStorageの有効期限が一律7日間の制限が追加されたことにより、サイトへの再来訪が7日間ない場合はvisitor_idが失効します。これにより、同一ブラウザからのアクセスであっても別ユーザとして扱われます。影響の一例として、「visitorとのチャット履歴は7日間で紐付けられなくなる」などがあります。

クロスサイトリファラのダウングレード

別ドメインからナビゲートされ、ITPの条件を満たす場合、リファラの情報はドメインレベルの情報のみになります。(例:https://karte.io/page/?hoge=1234https://karte.io/ になります)
詳しい影響内容と対策についてはITP2.3の記事をご参照ください。ITP2.3における影響2

発生条件の違い

ITP202003により影響が発生する範囲が広がりました。

条件 ITP2.3 ITP202003
環境とブラウザ iOS 13, iPadOSベータ版のSafari
macOSのSafari 13
iOS 13.4, iPadOS 13.4のSafari
macOSのSafari 13.1
流入元サイト tracker判定されたサイトのみ すべてのサイト
流入元のURL クエリが含まれる場合のみ すべてのURL

参考: ITP202003とは

iOS, iPadOS 13.4, macOSのSafari 13.1におけるIntelligent Tracking Prevention (ITP)の取り決めです。詳細な仕様については下記をご参照ください。

Full Third-Party Cookie Blocking and More | WebKit