メール配信が予定時刻より大幅に遅れる原因

KARTE Messageでメールを大量配信した際、管理画面上は配信完了と表示されているにもかかわらず、深夜や翌朝にメールが届く場合があります。

これはKARTEの不具合や配信設定の誤りではありません。メール配信エンジンと受信メールサーバーの間でソフトバウンス(一時的な受信拒否)が発生し、再送が繰り返されることで、配信が予定時刻より大幅に遅れることがあります。

配信遅延が発生する仕組み

メール配信の流れ

KARTE Messageからメールを配信する際、メールは以下の経路で届きます。

KARTE Message → メール配信エンジン → 受信メールサーバー(Gmail、Outlookなど)

管理画面の「配信完了」は、KARTEからメール配信エンジンへの送信リクエストがすべて完了した時点を指します。ただし、メール配信エンジンから受信メールサーバーへの配信は、この時点ではまだ進行中の場合があります。

配信遅延は、メール配信エンジンから受信メールサーバーへの経路で発生する再送に起因します。

ソフトバウンスとリトライ

メール配信エンジンが受信メールサーバーにメールを届けようとした際、受信側が一時的に受け取りを拒否することがあります。これをソフトバウンスと呼びます。ソフトバウンスが発生する主な原因は以下のとおりです。

  • 受信者のメールボックスがいっぱい
  • 受信メールサーバーが一時的にダウンしている
  • 受信メールサーバーの受信数の制限に達した
  • メールサイズが大きく、一時的に受け付けられない

ソフトバウンスが発生すると、メール配信エンジンはデフォルトで最大14時間にわたって自動的に再送を繰り返します。この再送はメール配信エンジンの仕様であり、KARTE側では制御できません。

大量配信で遅延が目立つ理由

大量配信(数万〜数十万通)では、一定の割合でソフトバウンスが発生します。大部分のメールは配信開始後すぐに届きますが、ソフトバウンスが発生した一部のメールについてはリトライが数時間続く場合があります。

夕方〜夜間に配信を開始した場合、リトライ期間が深夜にかかるため、遅延が目立ちやすくなります。午前中に配信を開始すると、リトライが日中に収まるため、目立ちにくい傾向があります。

対策

KARTE Messageには「22時以降は配信しない」のような時間帯を制限する設定はありません。以下の方法で、遅延の影響を軽減できます。

対策説明
配信時間帯を早めに設定する午前中〜昼に配信を開始すると、リトライが発生しても深夜帯にかかりにくくなります
配信対象を分割する1回あたりの配信数を減らすと、受信メールサーバーへの負荷が軽減され、ソフトバウンスの発生率を抑えられます
配信日を分散する数日に分けて配信すると、1日あたりの送信数を抑えられます
再送の上限時間を短くするデフォルトでは最初の配信試行から14時間を上限に再送が行われます。上限を短くすると、深夜帯に入る前に再送が終了するため、深夜帯の配信を防げます
補足

再送の上限時間の変更をご希望の場合は、サクセス担当までお問い合わせください。 なお、この設定はキャンペーン単位ではなく送信ドメイン単位で適用されるため、同じドメインから配信するすべてのキャンペーンに影響します。深夜帯にかかっても再送を継続したいキャンペーンがある場合は、ご注意ください。

配信イベントの詳細

1通のメールに対して、以下のイベントが段階的に発生します。

イベント発生タイミング
message_ses_sendKARTEからメール配信エンジンへの送信リクエストが完了した時点
message_send受信メールサーバーがメールを正常に受け取った時点
message_delayメール配信エンジンが受信メールサーバーへの配信をリトライした時点
message_fail配信が最終的に失敗した時点、または配信成功後に苦情が返された時点。詳しくは エラーコード一覧 を参照
ご注意ください

message_ses_sendmessage_send は名前が似ていますが、意味が大きく異なります。message_ses_send はKARTEからの「送信依頼の完了」であり、message_send は受信メールサーバーに実際に「届いた」ことを示します。

各イベントの詳しい定義は KARTE Messageにおけるイベント をご確認ください。

1通のメールは、配信結果に応じて以下のいずれかのパターンをたどります。

すぐに届く場合

KARTE Messageにおけるメール送信フロー(成功)

遅延が発生する場合(ソフトバウンス)

KARTE Messageにおけるメール送信フロー(ソフトバウンス)

届かない場合(ハードバウンス)

KARTE Messageにおけるメール送信フロー(ハードバウンス)

これらのイベントはDatahubの Message関連のビュー から確認できます。特定のキャンペーンの配信状況を詳しく調査したい場合はこちらをご利用ください。

管理画面の「配信完了」と実際のメール到達の違い

管理画面の表示と 配信ログ の各フィールドは、それぞれ配信プロセスの異なる段階を示しています。

情報何を示すかタイミング
管理画面の「配信完了」KARTEからメール配信エンジンへの全送信リクエストが完了すべての message_ses_send が完了した時点
配信ログの timestamp各配信対象に対してメール配信エンジンへの送信リクエストが完了配信対象の message_ses_send が発生した時点
配信ログの last_send_date受信サーバーが実際にメールを受け取った時刻最後に message_send が発生した時点
補足

timestamplast_send_date に大きな差がある場合、ソフトバウンスによるリトライが発生していた可能性が高いです。リトライ後にメールが届いた場合、last_send_date には深夜や翌朝の時刻が記録されることがあります。

FAQ

Q. 「1時間あたりの最大送信数」の設定を上げれば遅延は解消しますか?

解消しません。この設定は、KARTEからメール配信エンジンへの送信リクエスト速度(message_ses_send)を制御するものです。ソフトバウンスによるリトライはメール配信エンジンと受信メールサーバーの間で発生するため、この設定の対象外です。

Q. 配信しない時間帯を設定できますか?

現在、配信しない時間帯の設定機能は提供されていません。大量配信の場合は、配信を避けたい時間帯までにリトライが収まるよう 配信スケジュール を調整してください。

Q. message_ses_send の件数と message_send + message_fail の件数が一致しないのはなぜですか?

詳しくは Message関連のビュー のFAQをご確認ください。