代表的なジャーニー施策である、「休眠復帰系ジャーニー」の考え方と作成する流れを具体例を参考に、ジャーニーのABテスト機能にも言及しつつ解説します。ハンズオンした場合の推定所要時間は15分です。

参考情報として、ジャーニーに関するサポート記事一覧は下記です。
https://support.karte.io/docs/campaign/Journey

休眠復帰系ジャーニー

定義

休眠(一定期間来訪や購入がない)ユーザーにメールやプッシュ通知で復帰を促すジャーニーを指すこととします。

活用目的のケース

下記のようなケースがその活用目的として想定されます。

  • 一定期間来訪がないユーザーに再来訪を促す
  • 一定期間購入がないユーザーに再購入を促す
    など

ジャーニーのレシピ

下記の具体的なケースを想定し、「ステップお知らせ系ジャーニー」を作成する流れを解説します。
お手元のKARTE環境を開き、ハンズオン形式で操作いただくとより理解を深めていただけます。

想定する要件

項目 要件
ターゲットユーザー 最終来訪から30日経過
ゴール 来訪
シナリオ概要 ターゲットユーザーに対して時間間隔を開けて来訪を促すプッシュ通知を送り、アプリへの来訪を促進する

ジャーニーの作成

ジャーニーの新規作成

新規にジャーニーを作成、立ち上げ、タイトルを入力します。
今回は「30日休眠ユーザーの復帰(来訪)を促進するジャーニー」とします。

ゴールの設定

休眠ユーザーの再来訪を促進する目的のジャーニーですので、「再来訪」をゴールとして指定します。
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エントリー条件の設定

「ターゲットを選択」をクリックすると詳細設定のウインドウが右から開きます。
エントリー名は「新規かつ購入なし」とします。

判定タイミングには「リアルタイム」と「定期実行」の2種類が存在します。

判定タイミング 説明
リアルタイム リアルタイムにターゲット判定し、その後の接客をすぐに配信ができます(初回来訪セッションなどの施策向き)
定期実行 一日に一回(毎日未明に)まとめてターゲット判定をし、1~30日後に接客配信ができます(休眠復帰やステップ施策向き)

今回休眠復帰系ジャーニーでは「定期実行」を選択します。
定期実行では実行頻度は「毎日」、そしてこのジャーニーの開始日と終了日を設定します。
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続いて、属性条件の詳細設定で休眠の定義を設定します。
属性条件の設定項目で「休眠」を選択します。
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プルダウンで休眠の経過時間の基準とする指標を選択します。
今回は「最終閲覧日」(何かしらの閲覧が発生した最後の日)を選択します。
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休眠と定義する「最終閲覧日」の範囲をバー選択で指定します。

エントリーの定期実行は毎日(1日ごとに)行われるので、期間を「最終閲覧日31〜31日」とすることで、最終閲覧から30日経過しているユーザーが毎日エントリーすることになります。
※既にジャーニー上にいるユーザーはエントリー対象から自動的に排除されるため、ジャーニーの途中からジャーニーの先頭に戻ることはありません

今回はプッシュ通知を想定するので、属性条件のセグメント指定で「プッシュ配信を許可している」を合わせて指定します。
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詳細情報:休眠復帰施策のターゲット設定について

接客の設定

休眠復帰系ジャーニーでは、対象のユーザーが休眠している(サービスに来訪していない)ことが前提なので、今回はプッシュ通知を使ってユーザーにアプローチします。

先頭の接客はユーザーの好みに合わせたコンテンツを訴求する内容でプッシュ通知をエントリーから「1日後に配信」されるように設定しました。
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ABテストの設定

続いて後続のプッシュ通知を追加するのですが、ここでABテストの機能を利用してみましょう。
「+」ボタンを押した後の選択肢で、「ABテスト」を選択します。
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接客(今回はプッシュ通知)を作成し、ABテストで比較したいパターン分、「+」ボタンを押して接客を追加します。
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今回は新商品Aを訴求するパターンと新商品Bを訴求するパターンで比較をすることにしました。

追加の設定として、「ABテスト」のノードをクリックし、A、Bパターンそれぞれの配信比率を調整してみます。
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今回はAパターン:70%、Bパターン:30%で配信を割り振る設定をしました。
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 詳細情報:ジャーニーのABテスト

ゴールしたユーザーを除くオプションについて

オプション機能の解説です。
ゴールの設定部分には「ゴールしたユーザーを除く」というオプションが存在し、デフォルトでONになっています。この設定がONになっていれば、ジャーニー上の接客を通じてゴールに至ったユーザーは自動的にそのジャーニーから離脱します。

よって今回設定した休眠復帰ジャーニーにおいては、1つ目のプッシュ通知でゴール(再来訪)したユーザーには2つ目のプッシュ通知は配信されないことになります。
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「休眠復帰系ジャーニー」 の作成の流れの解説は以上です。
ぜひこのレシピを参考にしつつ、カスタマイズを加えてオリジナルのジャーニーを作成してみてください。