ユーザータグとは、ユーザーの属性情報をイベントとして発生させるためのタグのことを指します。
計測タグを設置するだけでは、「ページの閲覧情報」以外のユーザーの情報を取ることはできないため、ユーザーIDや、メールアドレスなど、ユーザーの属性情報をユーザータグを使ってKARTEに連携します。
また、ユーザータグでuser_id
というフィールドを送信することにより「複数のデバイスをまたいで同一のユーザーとして計測できるようになる」などKARTEをご利用頂く上では非常に重要なタグ・イベントです。
ユーザータグを設置する前に、KARTEの「イベント」そして「ユーザー」の概念についての理解が必要ですので下記の記事をお読みください。
ユーザータグを設置する場所
ユーザータグを設置するページは、基本的にはユーザー情報が取得できるすべてのページでの設置を推奨しています。
ユーザー情報が確実に取得できるかわからない場合は、「ページ内でユーザーがログインしている場合のみユーザータグが実行される」ような実装が必要です。
ユーザータグは必ず、計測タグの後にユーザータグが実行されるように設置してください。
ユーザータグの設置方法
ユーザータグは、計測タグで定義されるtracker.user()
という関数を利用してKARTEにイベントを送付します。
計測タグよりも後に設置しなければならない理由はそのためです。
下記のコードは、ユーザータグでユーザーIDがxxx123
、年齢が25
、会員ランクがgold
のユーザー属性情報を送信するサンプルです。
下記はサンプルコードになります。このままコピー&ペーストをしても動作しません。
ユーザーの情報にあわせて、値を出力する必要があることに注意してください。
tracker.user({
user_id: [[ユーザーIDの文字列]],
age: 25, // 年齢
rank: 'gold', // 会員ランク
})
ユーザータグが正常に実行されると、KARTEにはidentify
という名前のイベントが発生します。
もしこのタグが、サイトに訪れたユーザー全員に同じものが配信されると、
すべてのユーザーは同じユーザーIDで、年齢が25
歳・会員ランクがGold
になってしまいます。
よって、ユーザータグは、ユーザー毎に異なる値をタグとして出力する必要があることに注意してください。
ユーザータグリファレンス
下記の例以外にもユーザーの属性情報は自由に追加することが可能です。
以下のユーザータグリファレンスを参考にサイト上で計測したいユーザー属性をユーザータグに追加してください。
フィールド名 | 概要 | 例 | 型 |
---|---|---|---|
user_id | ユーザーを識別するユニークなIDです。複数ブラウザ、端末間でユーザーを同一認識する事が出来ます。 ユーザーIDを意味する値をユーザータグで送信する場合は、必ずuser_idという名称で、システム上でユニークなID(1人のユーザーに対して与えられ、システム上で重複しない)を文字列形式で送信してください。 ユーザーIDは第三者から推測困難な値であることが望ましいです。IDが連番など推測できる体系で生成されている場合は、ハッシュ化などをして推測困難な値に変換してから連携することを推奨しています。 |
"6ce372a91f0bc11a2414dd10" | 文字列 |
name | ユーザーの氏名です。管理画面上やアクション時に、名前を参照することが出来ます。 | "佐藤茂" | 文字列 |
メールアドレスです。 アクションとしてメールを利用する場合には必須です。 |
"sato_shigeru@plaid.co.jp" | 文字列 | |
subscription | メールマガジン登録の可否です。falseの場合、アクションでメールを設定しても送信されません。 アクションとしてメールを利用する場合には必須です。 |
true | 真偽値 |
signup_date | 会員登録日です。JavaScriptのDate()でmonthを使用する場合は、1月から12月が0から11で表現されるので注意してください。 | new Date("2013/01/21") new Date(2013, 0, 21) |
日付 |
age | 年齢です。 | 32 | 数値 |
gender | 性別です。 | "female", "male" | 文字列 |
photo | アバターURLです。管理画面上で顔画像を表示する事が出来ます。 | "://example.com/face000.jpg" | 文字列 |
birth_year | 誕生年です。 | 1982 | 数値 |
birth_month | 誕生月です。 | "8","12" | 文字列 |
birth_date | 誕生年月日です。JavaScriptのDate型で連携してください。(JavaScriptのDateはmonthが0始まりである点に注意) | new Date("1982/08/15") new Date(1982, 7, 15) |
日付 |
phone | ユーザーの電話番号です。 | "080-1234-5678", "08012345678" | 文字列 |
phone_subscribe | SMS配信の可否です。falseの場合、アクションでSMSを設定しても送信されません。 アクションとしてSMSを利用する場合には必須です。 |
true | 真偽値 |
first_name | 名前です。 | "茂" | 文字列 |
last_name | 名字です。 | "佐藤" | 文字列 |
country | 国名です。 | "japan", "日本", "JP" | 文字列 |
pref_cd | 都道府県コード(JIS X 0401)です | "01" | 文字列 |
zip | 郵便番号です。 | "000-0000" | 文字列 |
address | 住所です。 | "品川区西五反田0-0-0" | 文字列 |
point | サイト側の会員ポイントです。 | 1000 | 数値 |
rank | サイト側の会員ランクです。 | "A" | 文字列 |
job | 仕事 | "sales", "IT", "0" | 文字列 |
KARTEのイベントスキーマは、イベントストアにて全て定義しています。詳細は「イベントストア」のドキュメントをご参照ください。
(参考)イベントストア
KARTE利用開始時期によっては、「性別」に関するデフォルトセグメントの設定が誤っていることがあります。正しい設定については、下記の記事をご覧ください。
頻出セグメント 設定一覧表
https://support.karte.io/post/3YRZAtTNV6Nv04TXllBoL
これらのフィールドの他にも、ユーザー自身でカスタムしたデータを追加することが可能です。
使用可能なデータ型については任意のデータを送信するをご確認ください。
※ 日付型を送信したい場合は、キー名の末尾がdate
で終わるフィールド名を設定してください。
カスタム例:モバイル
フィールド名 | 概要 | 例 | 型 |
---|---|---|---|
email_mobile | モバイルのメールアドレス | "sato_shigeru@plaid.co.jp" | 文字列 |
phone_mobile | モバイルの番号 | "000-0000-0000" | 文字列 |
カスタム例:過去の購入情報
フィールド名 | 概要 | 例 | 型 |
---|---|---|---|
first_buy_date | 初回購入日です。JavaScriptのDate()でmonthを使用する場合は、 1月から12月が0から11で表現されるので注意してください。 |
new Date("2014/07/18") new Date(2014, 6, 18) |
日付 |
last_buy_date | 最終購入日です。JavaScriptのDate()でmonthを使用する場合は、 1月から12月が0から11で表現されるので注意してください。 |
new Date("2015/01/21") new Date(2015, 0, 21) |
日付 |
buy_times | 総購入回数 | 10 | 数値 |
buy_total | 総購入金額 | 100 | 数値 |
point_expired | サイト側の当月で失効する会員ポイントです。 | 500 | 数値 |
よくある間違い・注意事項
以下の様なケースでは、タグ設置方法に間違いがある可能性があります。
誤って複数のユーザーで同一のuser_idを送信してしまう
- 複数のユーザーが1人のメンバーに紐ついてしまうため、ユーザーを正常に識別できなくなります
- 非ログインユーザーやユーザーデータが正常に参照出来ない場合等で発生しやすいため、実装時には十分に注意してください
- visitorの場合はuser_idを送らないでください。(ユーザータグ自体をvisitorでは発火しないようにしてください)
- 仮に発生してしまった場合は実装を修正した上で、適宜営業担当までお問い合わせください
非ログイン状態のユーザーの計測のためにユーザータグを設置してしまった
計測タグの設置が完了していれば非ログイン状態のユーザーは計測できるため、非ログイン状態のユーザーの計測のためだけにユーザータグを新たに設置する必要はありません。
文字列で送るデータを数値で送ってしまった
ユーザーIDなどの文字列で送るデータは"1234"のようにダブルクォートで囲む必要があります。数値ではなく文字列で送る必要がありますのでご注意ください。
- 文字列で送る場合:"1234"
- 数値で送る場合:1234
各種カートシステムでユーザータグを設置する
ECサイトで、下記のカートシステムをご利用の場合は各カートで取得できる情報が決まっています。専用のユーザータグ設置方法がありますので以下のページでご確認ください。