KARTE Blocksでは、ページ内の「ブロック」を編集・変更したり、ABテスト、パーソナライズすることができますが、特定ページへリダイレクトする(該当ページに流入時に、別のページに遷移させる)機能は提供していません。
一方、ブロックに基本的なJavaScriptを記述することで、リダイレクトすること自体は可能です。
ここでは、GoogleAnalytics等のサイトアナリティクスツールでの効果計測手法を利用した、特定ページへリダイレクトするABテスト(リダイレクトテスト)の流れをご案内します。
当記事でご紹介するコードはサンプルコードです。 導入先サイトに合わせて適宜修正してください。
リダイレクト処理が先にかかるため、イベントの計測および訪問ユーザー数などの集計はKARTE Blocks管理画面ではできません。 GoogleAnalytics等をご利用ください。
当記事内におけるテストケース
ここでは、リダイレクト元のページに対し、以下のようなABテストを実行したいケースを想定しご紹介します。
- リダイレクト元のページをそのまま表示する(=変更なしのパターン): 20%
- リダイレクト先のページ①へ遷移させる: 40%
- リダイレクト先のページ②へ遷移させる: 40%
また、擬似的にそれぞれのページは以下とします。
- リダイレクト元のページ: .../page_initial/
- リダイレクト先のページ①: .../page_redirect_1/
- リダイレクト先のページ②: .../page_redirect_2/
リダイレクトテストの流れ
以下の手順で設定・テストを行います。
- 「ページ一覧」で、リダイレクトテスト元のページを登録する
- 「配信条件一覧」で、リダイレクトテスト用の配信条件を作成する
- 「ブロックリスト」で、ページ上部の適当なオリジナルブロックを登録する
- 「ブロックリスト」で、パターンごとにブロックの変更を登録・リダイレクト用のJSを記述して配信する
- (テスト開始後) GoogleAnalyticsなどのサイトアナリティクスツールで効果計測する
リダイレクトテスト元のページを登録する
リダイレクトテスト元のページ(/page_initial/)をページ一覧に登録します。
すでに同じ条件でページが登録されている場合には、そのページ設定を利用します。
リダイレクトテスト用の配信条件を作成する
登録したリダイレクトテスト元のページ設定の中に、リダイレクテスト用の配信条件を作成します。
シンプルなABテストだけでなく、配信スケジュールや対象ユーザーの絞り込みを行うことも可能です。
パターン名には遷移先ページの情報をつけておくとわかりやすいです
オリジナルブロックを登録する
次のステップでページリダイレクトを行うためのJavaScriptを記述するブロックをブロックリスト画面から登録・配信するため、その元となるオリジナルブロックを登録します。
ページリダイレクトを行うため、ここで登録するオリジナルブロックは特段指定はありませんが、サイトロゴやタイトルテキストなど、サイト上部にあって不変的な要素を登録するのがおすすめです。
ブロックの変更 / リダイレクト用のJSを記述する
ブロックリスト画面から、先ほど登録したオリジナルブロックに対して、「ブロックを変更」ボタンからブロックの編集・配信を行います。
配信条件・パターンを選択し、「別のブロックに変更」 > 「オリジナルブロックを元に作成」と進み、ブロックの編集画面を起動します。
ブロック編集画面の左ペインにて、コード編集モードを選択し、SCRIPTを選択。 右ペインのコードエディターにリダイレクト用のJavaScriptを記述します。
以下はサンプルコードです。 サイトによっては正しく動作しない可能性がありますので、適宜修正してください。
リダイレクト先のURLに、任意のURLを入力します。
(function() {location.href = 'リダイレクト先のURL';})();
登録できたら「編集を終了」し、ブロックの配信設定画面で「保存して配信」をして完了です。
上記の設定を、他のリダイレクトパターンについても同様に行います(リダイレクト先②)。
パラメータ付きのリダイレクト先URLを設定する
GoogleAnalaytics等のサイトアナリティクスツール側で効果計測を行う上で、リダイレクト先のURLの設定時には特定のパラメータを付して登録してください。これにより、アナリティクスツール側で通常のページ流入と分けて効果集計することが可能です。
具体的には、
/page_redirect_1?from_initial/
などと設定します。(任意のわかりやすいパラメータで結構です)
遷移先へパラメーターを引き継いだ状態でリダイレクトしたい
以下はサンプルコードです。 サイトによっては正しく動作しない可能性がありますので、適宜修正してください。
リダイレクト先のURLに、任意のURLを入力します。
(function() {
// 現在のURLからクエリパラメータ(クエリストリング)を取得
var queryParams = window.location.search;
// リダイレクト先のURLにクエリパラメータを付与
var redirectTo = 'リダイレクト先URL' + queryParams + '&from_initial(任意のパラメータ)';
// リダイレクト
location.href = redirectTo;
})();
(配信後)GoogleAnalyticsなどで効果計測する
リダイレクトテスト実施後の効果計測は、リダイレクト元およびリダイレクト先のページで利用されているGAなどのサイトアナリティクスツールを利用してください。
リダイレクトする場合でも、GA側でリダイレクト元ページのセッション数などにカウントされてしまう場合
基本的なGA4の操作知識、および管理者権限が必要です。
リダイレクト用のJavaScriptとGoogleアナリティクスタグの発火タイミングの前後関係によって、リダイレクトさせる場合でもリダイレクト元ページでユーザーのセッションが計測されてしまう場合があります。
その場合、以下の方法でリダイレクト先のページを閲覧したユーザーを識別するためのカスタムディメンションを設定・GA4のレポートで比較データとして使用し、リダイレクト元ページの効果をテストパターンが当たったユーザーとそれ以外で識別することができます。
- リダイレクト先のページ(指定パラメータ付き)の閲覧をトリガーに、GoogleTagManagerでGA4にカスタムイベントを送信
- カスタムイベントの計測は、こちらのサポートサイトも参考にしてください。
- GA4の管理 > カスタム定義 > カスタムディメンションを設定
FAQ
1.リダイレクト元のページおよびリダイレクト先のページで他にブロックの変更・配信設定が行われている場合、それらも反映されるか?
はい。例えば、リダイレクト先のページでKARTE Blocksによるブロックの変更・配信が行われている場合、通常のアクセス時と同様に処理されます。
2.GAなど他のサイトアナリティクスツールを利用する必要があるのはなぜか?
KARTE Blocksは同期タグの仕組みを採用しており、表示速度をなるべく高めるために、ブロックの変更・配信はイベント計測(KARTE計測タグの発火)よりも早く行われます。
結果、リダイレクトの処理が先にかかり、リダイレクト元ページの閲覧イベントやブロックの書き換えイベントが計測されず、配信条件・パターンごとの効果集計ができません。
注意事項
KARTE Blocks管理画面での効果数値について
本記事の方法で設定したページ(リダイレクト元)では、訪問ユーザー数等の効果数値の計測は行われません。 ※ 基本的にKARTEタグの読み込み前にリダイレクト処理がかかるため
なお、2024年2月末まで閲覧できる旧画面では、訪問ユーザー数等の数値が表示されます。
これは旧計測方法では、リダイレクト前にBlocksタグによってイベント計測されるためです。
関連サポートサイト: 新効果計測・集計数値への切り替えと旧数値データの提供終了(2024年2月末)
推奨する検証方法について
リダイレクトテストの動作検証において、テストセグメントを使用する方法を推奨しています。この方法に関する詳細は こちら で確認できます。
「表示確認」による別手法も存在しますが、リダイレクトテストの場合、プレビューで上でリダイレクトが断続的に発生する可能性があるため正確な検証手法としてはおすすめしていません。
リダイレクトまでのラグについて
KARTE Blocksは同期タグの仕組みを採用しておりますが、上記方法でリダイレクトを行う場合には、ブロックの読み込み後、リダイレクト用のScriptが読み込まれてリダイレクトが実行されるまでに若干のタイムラグがございます。
上記につき、リダイレクト前のページが一瞬見える(ページフリッカー)ため、ご留意ください。